考察と仮説
考察
RE再生鍼の研究を始めてから現在に至るまで、施術中の観察やデータ解析により、以下のことが明らかになっています。
【施術中に感じる変化】
1. 短時間かつ急激な反応
刺鍼後、効果が一気に現れ始めます。個人差はありますが、その急激な反応は約10分程度続くことが多く、施術中に顕著な変化を感じられます。
2. 効果が多岐にわたる
施術の効果は多岐にわたり、以下のような現象が確認されています:
• 細胞分裂や細胞の促進
• 筋肉や皮膚の再生
• 免疫力向上
• 脂肪の減少
• 神経の再生
• 炎症や痛みの軽減
• 筋肉や関節機能の改善
3. 血液中の成分の変化
血漿タンパク質やエクソソームの解析結果から、施術中に血液中の成分が変化することが確認されました。特に、ホルモンや血球の変化も予想されています。
4. 直前の調整部位への効果
RE再生鍼を行う直前に、効果を期待する部位に特化した施術を行うことで、より良い結果が得られることが日々の施術から観察されています。
5. 再生の停滞からの脱出
症例数は少ないものの、新型コロナウイルス感染症やワクチン接種後の後遺症などで、長期間にわたり再生能力が低下しているケースにおいて、通常の回復力への改善が観察されています。
【血漿タンパク質とエクソソームの解析結果から推測される作用】
1. 皮膚の再生
2. 細胞分裂の促進
3. 筋肉の再生(サテライト細胞の増殖を含む)
4. 周皮細胞の増殖
5. 肝臓の再生
6. 生殖細胞の増殖
7. タンパク質合成の促進
8. 細胞の修復(DNA修復、抗酸化、抗がん化、抗老化)
9. ヒートショックタンパク質の利用促進
10. 代謝の促進
11. 免疫力の向上
12. ラクトフェリンの増加
仮説
日々の施術で得られたデータやタンパク質、エクソソームの解析結果から、人体には急速に再生するメカニズムが備わっている可能性が示唆されています。
特に刺鍼後、急速に再生し、身体は短時間で通常モードに戻ることが観察されました。この現象について、当研究会では以下の仮説を立てています。
仮説①: 緊急時に発現する再生メカニズムの進化的背景
人類の長い進化の過程で、飢餓との戦いが重要だったため、再生に必要なエネルギー消費を最小限に抑える仕組みが発達したと考えられます。しかし、生命を脅かす緊急時(例: 捕食動物からの攻撃など)には、このエネルギー効率を犠牲にし、急速な再生を行う仕組みが発現するよう進化した可能性があります。この際には皮膚や筋肉の修復、感染症への防御が優先され、大量のエネルギーが消費されます。ただし、エネルギー枯渇のリスクを避けるため、この反応は短時間で終了するよう制御されていると推測されます。
仮説②: 弱いストレスによる「再生抑制モード」の固定化
現代社会では命に関わるような緊急ストレスは少ない一方で、慢性的な弱いストレスが蓄積し、人体が「再生抑制モード」に固定化される場合があると考えられます。この結果、脂肪の蓄積や代謝機能の低下が見られる患者も存在します。しかし、RE再生鍼を用いることで、身体が「緊急モード」に切り替わり、再生プロセスが再活性化する可能性があります。
結論:
RE再生鍼は、人体が本来持つ潜在的な再生メカニズムを誘発し、治癒を促進する新しいアプローチとして注目されます。当研究会では、この仮説をさらに検証し、科学的エビデンスを積み上げることで、より良い未来を目指しています。